とよチャンネル

沖縄に原発はない。
しかしハローワークを通して原発労働者として沖縄から出稼ぎに行った人たちがいる。
新聞やテレビ報道が落ち着いてから私は、原発労働者の被曝が原因で夫を亡くした喜友名末子さんのお話を聞きに自宅にお伺いした。
先ずは喜友名宅に上がってお仏壇はありませんかと聞くと実家にあるからいつもヒヌカンに手を合わせていると言う。
私も喜友名さんに続いてウートートーさせてもらう。



それからクーラーのある部屋でテーブルに向かう。
『食卓にあがった放射能』(七つ森書館)がテーブルに置かれてあった。
喜友名さんの話しは、私(独身者)に大変参考になる「恋ばな」の花を咲かせる。
喜友名末子さんは医療事務の仕事に携わっていたという。
その経験が夫の労災認定まで辛抱強い闘いを勝利に導く。

その主人とは本土の大手企業で知り合う。
それから帰郷後家に訪ねてきてお付き合いが始まる。
海に行くで惹かれた。
うち、家族は海しか知らない。
プライドのないところが好きだった。
主人との付き合いは時間を忘れるぐらいだった。
何でも食べる。
遠慮を知らないのが魅力。
自分にないのを求めて惹かれた。
地でいけたのがおもしろった。
縁のある人は自然になる。
主人はスポーツが好き。
すっきりしている。
ほとんど海に行っていた。
親には反対された。
親には「自分が結婚したい人と結婚したい」とはっきり。
喜友名さんは末っ子であまえっ子だった。
「誰が結婚するの？」
仕事柄ではなくその人と結婚がしたい。
同棲しよう。
一年くらいでゴールイン。
結婚するのは縁だよ。
仕事をしようと思った。
旦那を助けたい。
家族を守って行きたい。
もっと幸せになれる。
旦那は具志川のハローワーク（の紹介）で行くから信用していた。
全然わからないで行っている。
平成１５年８月に離職票が届く。
（原発の）会社に電話を入れる。
本人はやめると言ってないのに離職票が。
使い捨てと労災労働基準監督署へ。
病気に労災が決まるまで３年半かかった。
最初一人で労災の手続をした。
却下されて弁護士に頼む。
すでに被曝していて普通の３倍以上。
悪性リンパ腫。
原発で被曝したらどんな癌にもなる。
白血病等３つしか認めていない。
どうしてこんなに時間がかかるんですか。
国と電力はひとつだから。
補償問題は勝てるわけがない。
泣き寝入り。
便利さだけ追求して。
３月に入院。次の年の３月に亡くなった。
最初は一人で労災の手続をして。

県立病院　　　　　不明熱
琉大病院　　　　　悪性リンパ腫

医療事務の知識から病院の入院費１年分は労災からと払わない。
三年半を費やす。
普通の素人の主婦では出来なかった。
労災は普通の素人では難しい。
粘り強く習いながら出来た。
原発で労災の泣き寝入りしている人には教えてあげたい。
病気と原発との因果関係。
病名と薬の検査で大体わかる。

私は喜友名末子さんが楽しそうに恋ばなを咲かせるように話すのを聞く。
私は泣きそうになるのを事前にぐっと堪える。
私の感受性は諸刃の刃だから感情移入し過ぎないよう心がけている。
対象との距離をとることで私は、感情移入し過ぎない撮影スタイルをとる。
喜友名さんに一瞬涙ぐむのを気づかれてしまったかもしれない。
楽しそうに恋ばなの花を咲かせてくれる。
赤い糸は天国まで続いているように思えた。
私の記憶は日常の忙しさにかまけてぼやけて見える。
何が喜友名さんの旦那さんを原発労働へと駆り立てたのか。
何故ハローワークで原発労働を紹介しているのか。
怒りがふつふつと私の心の中で沸き起こる。
幸せになりたい。
幸せそうに恋ばなを話してくれればくれるほど原発労働の悲しい結末に私は、悲しさを拭い切れない。
今日は写真を撮る気満々だった私が恥ずかしかった。
写真の師匠・樋口健二先生の講演会がきっかけでにわかに沖縄出身の原発被曝労働者の人生を垣間見る。
私に出来ることなどあるのだろうか。
喜友名末子さんが原発の労災について役に立ちたいという言葉が心に突き刺さったままだ。









準備中










対象との距離をとることで私は、感情移入し過ぎないようにする撮影スタイルをとる。
＝　　http://toyoanneru123.ti-da.net/e3152729.html